2025年12月2日午後3時前、北海道函館市本町の繁華街で大規模な火災が発生しました。
函館は、筆者の母方の祖父母のふるさと。
子どもの頃からなじみ深い街で、大好きな大叔父も暮らしていました。
五稜郭公園に近い、街の中心部での大規模火災のニュースに、たいへん驚いています。
本記事では、この火災の発生から最新までの情報をまとめてお伝えするとともに、函館市在住の親戚から送ってもらった現場写真を掲載し、現地の状況を詳しくレポートします。
▼鎮火前のニュース映像です。
速報ニュースがたくさん流れており、親戚が多く住む街の火災に、筆者の母も心配していました。
火災の概要
火災の概要は、以下のとおりです。
情報が追加される都度、更新していきます。
| 項目 | 詳細 |
| 発生日時 | 2025年12月2日(火)午後2時50分ごろ |
| 発生場所 | 函館市電「五稜郭公園駅」すぐ近く、函館市本町6番付近 |
| 火元 | アスファルト舗装工事で使用されていたバーナー |
| 出元特定の経緯 | 当初、建物1階の裏口付近にあるトイレから出火したとみられていました。 (従業員からは「アスファルト工事から引火した」という証言がありました。) 後に、建物裏の駐車場で行われていたアスファルト舗装工事による延焼だと判明しました。 |
| 火災の状況 | 激しい炎と大量の煙が立ち上り、隣接する建物にも延焼。 消防車14台が出動して消火活動にあたり、通報からおよそ11時間半以上経った12月3日午前2時すぎに、火はほぼ消し止められました。 |
| 被害者(負傷者) | 火元と見られる不動産会社の従業員はすでに避難して無事でした。 翌朝(2025年12月3日午前8時)時点でも、けが人の情報は入っていません。 |
当初、報道では火元について「木造2階建ての不動産会社事務所(雑居ビル)」と言われており、場所からして、「アパマンショップ函館五稜郭店」のことだと思われていました。

アパマンショップといえば、2018年12月に札幌市豊平区で、スプレー缶のガス爆発事故が起きましたね
【2025年12月5日追記】
火が出る直前まで、アパマンショップが入る建物の駐車場で、バーナーを使ったアスファルトの舗装工事が行われていました。
今回の火事の原因は、工事の火が燃え移ったことによる延焼であったと判明しました。
(参考:APAMAN株式会社発表)



アパマンショップは悪くなかった!
市民生活への影響
この大規模火災は、市電の運行見合わせや交通規制、商業施設の臨時閉館など、市民生活に甚大な影響を及ぼしました。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 交通への影響 | 函館市電が一時、全線で運行を見合わせ。 午後6時25分から「函館駅前~谷地頭間」と「函館駅前~函館どつく前間」で折り返し運行を再開。 しかし「函館駅前~湯の川間」の運転見合わせは終日続きました。 翌朝(2025年12月3日)には、始発から運転を再開しています。 |
| 避難の状況 | 近隣の店舗にいた客など約300人が、警察や従業員の誘導で避難しました。 警察が付近の住民に避難を呼びかけていたという情報もあります。 |
| 商業施設への影響 | 「丸井今井函館店」は、店内に煙が入り込んできた影響で午後4時半に繰り上げ閉店。 「シエスタ函館」も臨時閉館しました。 |
| 現場の状況 | 現場周辺では、一時的に交通規制が敷かれました。 現場は交通量の多い交差点近くであり、帰宅時間帯の交通に大きな混乱をきたしました。 |



煙がもくもく。
丸井さんにいた人の中には、煙を吸って具合が悪くなった人もいたようだよ。
近隣火災の影響により本日の影響は
— 書店【函館栄好堂 丸井今井店】a.k.a.丸井今井の中の本屋さん (@h_eikodo_mi) December 2, 2025
16時30分をもちまして全館臨時休業となりました。 https://t.co/fJc93CiJQu pic.twitter.com/tVd7GB5Soq
翌朝の現場の状況(2025年12月3日)
▼現場はこちら。いわゆる「本町交差点」と呼ばれる、市電が行き交う大きな交差点です。
翌朝(2025年12月3日)の現場の状況写真はこちらです。
火はすっかり消し止められていますが、現場には黒く焼け焦げた建物の残骸が広がり、火災の大きさを生々しく物語っています
一夜明けても、消火活動の爪痕が深く残っている状況です。
▼居酒屋「石窯ピッツァと和食と酒 そる」さんの隣の建物(アパマンショップ函館五稜郭店)が崩れ落ちて、地下歩道の入り口に乗っかっています。




▼交通規制はされていないものの、警察官が交差点に立って交通整理をしていたそうです。


▼「アパマンショップ函館五稜郭店」の建物と、隣にあったシメパフェが楽しめるバー「sweets and c.bar U-1(スイーツアンドカフェバー ユウイチ)」が入っていたビルがなくなっています。


▼「シエスタ函館」1階にあるスターバックスは、いつも朝7時から開店して賑わっているそうですが、12月3日午前9時前に通りかかったところ、大きな窓のロールスクリーンが降ろされ、シエスタ函館の建物自体に入れなかったそうです。(午前9時過ぎには開店していたとのこと。)
地下歩道の入り口は、入れなくなっている様子です。▼


▼レオパレス21のオフィスが入っていた建物は危機一髪。
シメパフェの「sweets and c.bar U-1」さんはなくなってしまったのに、ソフトクリームの立体看板だけが残されています。


▼丸井今井函館店から火災現場に向かう方の横断歩道は、横断禁止になっていたそうです。
現場となった建物の裏側には、まだ消防車が。▼


発生から3日後の現場の状況(2025年12月5日)
火災の発生から3日後(2025年12月5日)の現場の写真はこちらです。
▼この2日間で函館にも雪が積もりましたが、状況はあまり変わっていないようです。


▼丸井今井函館店から火災現場に向かう方の横断歩道も、横断できるようになっていたそうです。
でも状況はあまり変わっていないようです。


▼地下歩道の入り口は、進入禁止が続いています。
火事現場の建物裏側。▼
火元は「建物裏側の駐車場」なのに、表側よりも原型が残っているように思いますね。


おまけ|函館市の消火栓
先ほどの消防車から出ている消火ホースが、現場から300m近く離れた「ホテルエスパル」付近の民家前の消火栓のもとに、まだ置きっぱなしになっていたそうです。
11時間以上もかけた消火活動、本当にお疲れ様でした。
なお、函館市内に約2000機設置されている消火栓は、全国でも珍しい黄色です。
確かに、他の地域では、消火栓は赤色だったような……?


これは、1934年の「函館大火」の教訓から、防火対策の一環として導入された函館独自の消火栓で、正式名称は「函館型三方式地上式消火栓」といいます。
黄色が採用された最大の理由は、視認性の高さです。
特に雪の多い冬場、白い雪に紛れて消火栓が見えにくくなるのを防ぐため、火災時や夜間でも目立つように黄色が選ばれたそうです。
また、アメリカの技術を参考に市が設計したこの消火栓は、ポンプ車に接続する部分が3か所ある「三方式」という特徴があります。
歴史的景観に溶け込む黄色い消火栓は、現在では観光客にも人気で、写真を撮っていかれるそうです。



「白い雪に紛れないように」っていうんなら、もっと雪が多い地域でも採用したらいいのに!



函館は北海道の中でもとても古く、独自の歴史を持っていますからね
火事場泥棒
函館市本町の大規模火災の現場周辺では、複数の窃盗事件が発生していました。
いわゆる「火事場泥棒」というものです。
漫画本の万引き
火災による混乱真っ只中である2025年12月2日午後3時30分ころ、火元すぐ近くの「丸井今井函館店」内で窃盗(万引き)事件が発生しました。
窃盗の現行犯で逮捕されたのは、函館市に住む無職の女です。
警察によると、女は同百貨店6階の書店「函館栄好堂 丸井今井店」で、漫画本11冊(合計8,932円相当)をバッグに隠して店外に出ようとしたとのこと。
当時、現場周辺は火災による大量の煙と交通規制で混乱しており、丸井今井函館店も営業に支障をきたし、午後4時半には繰り上げ閉店しました。
昨日はこの対応もあり凄く大変でした💦
— 書店【函館栄好堂 丸井今井店】a.k.a.丸井今井の中の本屋さん (@h_eikodo_mi) December 2, 2025
《万引き犯=窃盗》歴とした犯罪です。
今の時代すぐバレる、捕まるからやめなさい。
【火事場泥棒か】街が騒然となる火災の真っ最中に近隣のデパート内の書店で万引き_漫画本11冊(約9千円)をバッグに隠し店を出た36歳の女を現行犯逮捕https://t.co/dRLJ1Dm8Od
テレビ取材のカメラ盗難
また、火災が発生した12月2日から翌3日にかけての混乱の中、現場で取材を行っていたテレビ局「UHB北海道文化放送」のカメラが何者かに持ち去られました。
警察は、この取材用テレビカメラの盗難事案を窃盗事件として捜査を開始しています。
大規模火災による混乱を狙った窃盗行為が相次いで発生したことで、現場の警備体制の強化が求められています。
【火災取材中にテレビカメラが何者かに盗まれる《函館繁華街火災》警察が窃盗事件として捜査】
— 函館災害情報 (@hakodate119) December 3, 2025
HBCニュース
2日午後に発生した函館市の繁華街の火事は約17時間後の3日午前8時半ごろに鎮火しました。
一方で、取材中のテレビカメラが現場で盗まれる窃盗事件が発生しています。…
まとめ
2025年12月2日午後3時前に北海道函館市本町で発生した大規模火災は、夜遅くまで続いた消火活動の末、火はすっかり消し止められました。
一夜明けた翌朝には、市電の運行や交通規制は解除され、日常が戻りつつあります。
しかし、黒く焼け焦げた現場跡が火災の大きさを生々しく物語っており、関係者は現在、後処理に追われています。
今回の火災で、けが人が出なかったことが不幸中の幸いです。
函館市民の皆様の力で、この街の中心に一日も早く活気が戻ってくることを心から願っています。



